ミッション概要・ミッションシーケンス
TRACERのミッションは、CanSatが地上を移動し、現地で実験を行い観測した情報を届ける「現地観測型探査」を実証することです。APRSAFに向けて、機体・電子回路・ソフトウェアを一体として開発し、実験で確かめながら完成度を高めています。
ミッションの意義
近年、宇宙探査において生命の存在可能性を示すデータが数多く見つかっている。このような探査を進めることは、宇宙や生命の起源を調べるうえで必要不可欠である。そこで、低コストで製造可能な缶サットを用いることで、並列して探査を行うことができると考えた。
このような物質の調査ミッションを行う缶サットは、ミッション終了後に回収して分析を行う形式となっていることが多い。しかしながら、宇宙ではこのような回収を行うのは難しい。
そこで、缶サットの回収を必要としない、現地観測型探査機にする必要がある。
期待される成果
有機物の現地観測型探査により、缶サットが投下された地表に有機物が存在するかを明らかにすることができる。
ミッションシーケンス
モデルロケットで打ち上げられた缶サットはパラシュートで下降、着地を検知しエンベロープを展開。その後地表を移動し、その地点に有機物が存在するかを調査する。
缶サットシステム
TRACERシステムの説明
この缶サットのシステムは、主に缶サット本体のメインシステムとミッションシステム・地上局での分析システムによって構成されています。
メインシステム
| 機材名 | 用途 |
|---|---|
| M5 Stamp S3A | システム全体のコントローラ + 無線データ転送 |
| WF280A | 機体制御用の気圧・温度センサ |
| BNO055 | 機体制御用のIMU(加速度・姿勢センサ) |
| DRV8411A | ローバー動作用モータードライバ |
| N20 GearMotor | ローバー動作用のモーター |
| Airless Wheel | エアレス構造により着地衝撃を吸収するローバー用タイヤ |
| Nichrome Wire + AO3400A | パラシュート・エンベロープ切り離しシステム |
| 5V BuckConverter | コントローラ・センサ・切り離し機構に5V電力を供給 |
| LiPo Battery | システム全体の電源 |
ミッションシステム
| 機材名 | 用途 |
|---|---|
| BME680 | VOCセンシング用ガスセンサ・補正用温湿度気圧センサ |
| Nichrome Wire + AO3400A | 地表加熱ヒーターシステム |
地上局システム
| 機材名 | 用途 |
|---|---|
| XIAO ESP32S3 + Bar Antenna | TRACERのテレメトリ受信・コマンド送信 |
| Ground Station Software | ・テレメトリ解析によるダッシュボード表示 ・ガスセンサ補正モデル作成 ・補正モデルによる有機物の存在可能性の推定 |
